“TEGEA”には、5.7mmと9.8mmがある。5.7mmは、16mmフィルム用でフォーカスが固になっている。5.7mmの方はeBayでも見かけるが、9.8mmは35mm用でフォーカスが効く。この9.8mmの方は、eBayでもほとんど見かけることがない超レアなレンズ。このレンズどうしても欲しくてずっと探していたのだが、ドイツの中古カメラやさんのリストに見つけることができ、運よく手にすることができた。
状態もとても良く、大きなフードは少しいびつなところがあって、1つひとつ手づくりなのではないかと思わせる。鏡胴の四角い部分はフィルターを差し込めるようになっている。このレンズは劇場公開用の映画のまさにプロフェッショナルのためのレンズであろうから、当時はゼロが二つくらい多くついていたのではないか?高価だったが当時の価格から比べればずいぶん安く入手できたのでまぁ仕方ないか。というより探しても見つからないレンズなのでとても満足。
このレンズは、Arri(アリ)のスタンダードマウントだが、テイラー・ホブソンのクック・キネタルのために買ったマウントアダプターがあったのでをGH1にさっそく、GH1に装着してファインダーを覗いてみた。その圧倒的なパースペクティブは覗いているだけでもわくわくする。この日は嬉しくて一日中この“TEGEA”を眺めていた。
35mmフィルム用なのでマイクロフォーサーズではまったくケラレることもなく、周辺光量落ちもほとんどないくらい。多くの広角レンズに見られるようなカリカリに固い写りでなく、ほどよいやわらかさを残しながらも、とっても良く解像している感じがした。
もうすぐ発表になるであろうSonyのAPS-Cのミラーレスカメラが発売されたらぜひ手に入れて“TEGEA”を試してみたいと思う。35mmフィルム用だからAPS-Cでもカバーするだろうし、約15mmの超広角になるから今から待ち遠しい。
大きくて思いレンズなのでおいそれと持ち出せるわけではないので、ちょっとお出かけするときに携えるとはいかない。普通はどこか撮影に行くときには、どのレンズを持っていこうかなどと考えるが、この“TEGEA”に限っては、このレンズでどこに撮りに行こうかと考えてしまう。それほど存在感のあるレンズだ。