前回に引き続き、Angenieux 25mm F0.95とMacro Switar 26mm F1.1との比較。作例は面白くないが、同じ条件で撮影できるので、そのあたりは、大目に見ていただきたい。左列がアンジェニュー、右列がマクロ・スイーターである。写真をクリックすると等倍で表示します。
Angenieux 25mm F0.95 | Kern Macro Switar 26mm F1.1 | |
絞りF0.95 ISO100 | 絞りF1.1 ISO100 | |
絞りF1.4 ISO100 | 絞りF1.4 ISO100 | |
絞りF2.0 ISO100 | 絞りF2.0 ISO100 | |
絞りF2.8 ISO200 | 絞りF2.8 ISO200 | |
絞りf4.0 ISO400 | 絞りF4.0 ISO400 |
ファミリーレストランでの撮影なので、三脚を持ち込むわけにもいかないので、絞りF2.8はSO200、F4.0はISO400となっている。
開放では、両者ともフレアがでて甘い描写であることは否めない。周辺光量もかなり落ちるようだ。一段絞る(F1.4)とかなり改善され、F2.0では、両者ともフレアはほとんど見られず、解像力もそれぞれのレンズのピークに近づき、F2.8まで絞るとどちらもピークの解像力を示すようだ。
テーブルのメニューにピントを合わせた。その部分をピクセル等倍で切り出したものが下の写真。
Angenieux 25mm F0.95 | Kern Macro Switar 26mm F1.1 | |
絞りF0.95 ISO100 | 絞りF1.1 ISO100 | |
絞りF1.4 ISO100 | 絞りF1.4 ISO100 | |
絞りF2.0 ISO100 | 絞りF2.0 ISO100 | |
絞りF2.8 ISO200 | 絞りF2.8 ISO200 | |
絞りf4.0 ISO400 | 絞りF4.0 ISO400 |
開放では、どちらもフレアっぽいが、マクロ・スイーターの方がRXの過剰収差補正が影響して、アンジェニューより若干、フレアが強い。解像力ははぼ互角か。
F1.4では、両者ともフレアは残っているが、かなり改善されている。解像力は、マクロ・スイーターの方が若干だが良くなっている。
F2まで絞ると両者ともほぼフレアはなくなる。解像力は、両者ともほぼピークに近づくようだが、明らかにマクロ・スイーターの方が高く、この時点で過剰収差補正の影響はまったく感じられない。
F2.8以上は、三脚を使わなかったため、カメラ側でISO感度を上げたためか、解像力の向上は見られない。反対にアンジェニューの方は、F2よりもF2.8の方が解像力が落ちている。これはISO感度を上げたためか、手ぶれをおこしている可能性もあるが、それを差し引いたとしても、改善は見られないようである。マクロ・スイーターの方は、ISO感度を上げた分を差し引いて考えると、若干の向上が見られるような気がする。
次にボケ具合の比較をしてみたいと思う。下の写真は、画面中央のメニューの奥にかけられた絵。
Angenieux 25mm F0.95 | Kern Macro Switar 26mm F1.1 | |
絞りF0.95 ISO100 | 絞りF1.1 ISO100 | |
絞りF1.4 ISO100 | 絞りF1.4 ISO100 | |
絞りF2.0 ISO100 | 絞りF2.0 ISO100 | |
絞りF2.8 ISO200 | 絞りF2.8 ISO200 | |
絞りf4.0 ISO400 | 絞りF4.0 ISO400 |
下の写真は、画面右奥にある「DRINK BAR」のサインを等倍で切り出したもの。
Angenieux 25mm F0.95 | Kern Macro Switar 26mm F1.1 | |
絞りF0.95 ISO100 | 絞りF1.1 ISO100 | |
絞りF1.4 ISO100 | 絞りF1.4 ISO100 | |
絞りF2.0 ISO100 | 絞りF2.0 ISO100 | |
絞りF2.8 ISO200 | 絞りF2.8 ISO200 | |
絞りf4.0 ISO400 | 絞りF4.0 ISO400 |
ピントがあった部分と距離が遠く、写真の周辺部のボケ具合は、アンジェニューの方がきれい。文字の輪郭がとても滑らかになじんでいる。F1.4までは、アンジェニューの方が若干ボケ量が大きいが、F2.0以上になるとマクロ・スイーターの方がボケ量が大きくなるのは、絵の部分を切り出したものと同じ結果が出た。ただし、開放ではマクロ・スイーターの方が周辺部の光量が不足している。これは、マクロ・スイーターの方が若干、イメージサークルが小さいためか。
次にランプシェードの部分を切り出してみた。
Angenieux 25mm F0.95 | Kern Macro Switar 26mm F1.1 | |
絞りF0.95 ISO100 | 絞りF1.1 ISO100 | |
絞りF1.4 ISO100 | 絞りF1.4 ISO100 | |
絞りF2.0 ISO100 | 絞りF2.0 ISO100 | |
絞りF2.8 ISO200 | 絞りF2.8 ISO200 | |
絞りf4.0 ISO400 | 絞りF4.0 ISO400 |
バックに光源がある場合は、どの絞り値でもアンジェニューの方が、光が大きく拡散している。これは、前回の比較でもイルミネーションの光が大きく拡散していたことが裏付ける結果となった。
つぎに、前ボケの検証を行いたいと思う。下の写真は、ピントがあったメニューが置かれたテーブルの手前の椅子の部分を切り出した画像。 前ボケでも後ボケと同様の傾向が見られた。
Angenieux 25mm F0.95 | Kern Macro Switar 26mm F1.1 | |
絞りF0.95 ISO100 | 絞りF1.1 ISO100 | |
絞りF1.4 ISO100 | 絞りF1.4 ISO100 | |
絞りF2.0 ISO100 | 絞りF2.0 ISO100 | |
絞りF2.8 ISO200 | 絞りF2.8 ISO200 | |
絞りf4.0 ISO400 | 絞りF4.0 ISO400 |
Cマウントのレンズで人気を二分する、Angenieux 25mm F0.95とKern-Paillard Macro Switar 26mm F1.1を2回に渡って検証してみた。
普段撮影していたときの感覚は、マクロ・スイーターの方がボケが大きいと思っていたが、それは開放付近で限られるようだ。こ私は、の2つのレンズで撮影するときは、ほとんど開放で撮ることが多いためそのように感じていたのだろう。
開放では、アンジェニューの方が、メリハリがあり、立体的な絵を創り出す。これは、ピントがきている部分は、マクロ・スイーターよりコントラストが高く、バックは、反対にマクロ・スイーターよりコントラストが低く、ボケ量が大きい。つまりその差が大きいために、艶があってグラマーな絵になることが裏付けられた格好だ。
一方、マクロ・スイーターの方は、平坦は描写であるが淡く、階調が滑らかで、とてもやさしい描写だ。どちらが良いかは、人それぞれの好みになると思う。
ただ、絞ったときの解像感やコントラスト、それに近くまで寄れるという点については、マクロ・スイーターの方にアドバンテージがある。
因みに下の写真は、同じファミレスでマクロでないKern-Paillad Switar 25mm のRXとARで撮影した写真のピントがきているメニュー部分を切り出したものである。
マクロ・スイーターのF1.4の画像と比べてみると分かるように、マクロ・スイーターの方が明らかにシャープなのは、さすが、マクロ・スイーターと言えるのではないか。
SWITAR 25mm F1.4 AR | SWITAR 25mm F1.4 RX | |
絞り F1.4 | 絞り F1.4 |