Cマウントのシネレンズの中で人気を二分するのが、Angenieux 25mm F0.95 と Kern-Paillard Macro Switar 26mm F1.1の2本。この二つのレンズは、とても人気があり、頭一つ抜きんでた人気を誇っている。
アンジェニューは、とても個性的で、周辺がグルグルして、メリハリがある描写をする。
一方、ケルンは、ボケの境界線にベールで縁取ったような描写をする。これは、プリズムを透過した光を補正するRXレンズの特長でもある。
タイトルは、VSと書いたが、別に対決というわけではなく、両者はどのような写りをするかを書きたいと思う。そもそもシャープやコントラスト、それに解像力競ってみたところであまり意味がないと思う。両者はそれぞれ、味わいのある写りをするわけであるが、そのどちらが自分の好みなのかをこの記事を通して、見極めて頂ければと思う。
まず始めにアンジェニュー。
絞りF0.95
まず感じるのが。発色が鮮やかということ。描写はやわらかいが、コントラストが低いという感じはない。普通、やわらかい写りをするレンズは、コントラストも低いというのが定説であるが、アンジェニューは、発色が良く、コントラストもそれなりにある。周辺は少しグルグルしている。
次はマクロスイーター。
絞りF1.1
花びらのディティールが滑らか。ボケはじめた輪郭をフレアで縁取ったような感じになる。発色はくすんだという感じではないが、淡い発色をする。
どちらも開放で撮ってみたが、どう感じますか?マクロ・スイーターの方が、優しい感じ。アンジェニューは、艶っぽい感じでメリハリがある描写って感じがする。
上:Angenieux 25mm F0.95 絞りF0.95 下:Kern-Paillard Macro Switar 26mm F1.1 絞りF1.1
上の2枚は、去年のクリスマスに表参道で撮影したものである。時刻もほぼ同じで、レンズ交換に要するくらいの時間差なので撮影条件はほとんど同じ。
明らかに、アンジェニューの方が発色が良い。でもどちらが実際の色に近いかというとマクロ・スイーターのほうが実際の色に近いと思う。
しかし、バックの点光源の出方がかなり違うようだ。もしかしたら、アンジェニューで撮影しているときに、たまたま鮮やかなイルミネーションが多く光っていたのかもと思ったが、露出を変えて何カットか撮ってあったがみな同じようなボケ方であった。
アンジェニューのボケ味は、他のレンズもそうだが総じて、賑やかである。だから、このような点光源や夜景はアンジェニューの方が魅力的な絵を創り出してくれるのかもしれない。
上の写真は、Angenieux 25mm F1.4、下はマクロスイーター
上の写真は、25mm F0.95のレンズではないが、ボケの傾向は似ているので参考になると思う。
ボケ味がきれいなのは、明らかかに下のマクロ・スイーターである。とてもなだらかにぼけていくし、2線ボケは、このレンズではほとんどでることがない。アンジェニューは、15mm F1.3、 25mm F1.4は、リングボケっぽい。25mm F0.95も前者ほどはないが、わりと賑やかなボケ方を示す。
夜景では、イルミネーションが点光源になりやすい、アンジェニューがいいと思うが、上の花の写真は、マクロ・スイーターの方が、メインモチーフを引き立たせてくれていい感じだ。
やはり、アンジェニューの方が、イルミネーションの光が大きく拡散している。解像感はいい勝負。
どちらがいいですか?