Taylor & Hobson Cooke Ivotal Anastigmat 1inch(25mm) F1.4
テーラー・ホブソンのレンズって本当に好感が持てる。シネレンズではアンジェニューやケルンのレンズが人気だが、実は同じ焦点距離と明るさなら、これらの人気のレンズより取引相場は高い。流通量も少ないし、レンズの性能もこの時代のシネレンズでは特筆ものだから当然かもしれない。アンジェニューのような鮮やかな発色ではなく、落ち着いた発色だし、ケルンのマクロ・スイータのようなフレアを伴った特徴的なボケではないが、とても素直で二線ボケはでないようだ。
絞り開放(F1.4) ノートリミング GH1で撮影
上の写真は、バックがうるさくなりがちな距離でしかも細かいカタチだがとてもきれいにボケている。イメージサークルもこの焦点距離のCマウントレンズにしては広め。実際よりも淡い色調。
絞り開放(F1.4) ノートリミング GH1で撮影
グルグルボケも出なく、固すぎずもなくかといってネムくもない。
絞り開放(F4.0) ノートリミング GH1で撮影
絞るとシャープに出るのは、まぁあたりまえだが、色調は沈んだ感じ。
開放だと淡く、絞ると沈んだ落ち着いた色調。開放でも絞っても楽しめるような気がした。
独創的ではないがとても好感が持てる描写だと思う。ディストネーションもシネレンズの中では特筆ものだ。アンジェニューやケルンよりも平均点では間違いなく上をいくと思う。夏の強い日差しよりも晩秋から早春にかけての柔らかい日差しの中で本領を発揮するレンズではないだろうか。