このレンズの存在を知ったのは、ksmtさんのサイトで欲しいレンズ39 にLaack Polyxentar 7.5cm F2というレンズの記事が書かれていたのを見た時から。
気にかけていたが、Webで検索してもほとんど引かるものはなく、ましてやeBayや欧米の中古カメラ屋さんにも見つけることができず、そのうちこのレンズのことも忘れかけていた。ところが偶然にもドイツの業者で売りに出ているのを見つけてしまう。その値付けも妥当なものか判断する材料もなかったのし、これを逃すと入手できないと思い思いきって購入した。
ksmtさんは、Kino Plasmatではないかとサイトのページで書かれていたので、そのことを業者に尋ねたところ違うとのこと。ドイツのとても小さなメーカーで80年くらい前のレンズ。世界に10本くらいしかないよ」と、世界に10本とは大袈裟に言ったのだろうが、かなりレアなことは確か。製造年は多分、1930~40年頃で70年以上、昔のレンズだと思う。もちろんコーティングはされていない。
届いたレンズが、下の写真。状態はとても良く、あまり使われていなかったような感じ。kino Plasmatに似ているようだが、この時代のレンズは皆こんなデザインなので、kino PlasmatのOEMなのかは定かではないが、F値が1.3と明るいため、後玉はkino Plasmatより大きい。
Cマウントなのでアダプター経由でGH1に取り付けて撮ってみた。滲みレンズというサイトにKino Plasmat の作例が載っていたのでそれを見と、中心部分だけがシャープで周辺は、収差が大きく、接写では周辺が激しくグルグルしていたので、このレンズもそんな感じだと想像していたが、案外シャープに写るようだ。
絞りF1.3 最短距離での撮影。バックは少しグルグルしているが、見苦しいほどではない。ピントを合わせたワイングラスは、結構シャープに写っている。
1インチクラスのシネレンズのイメージサークルは、そのほとんどがマイクロフォーサーズをカバーしないがこのレンズは大丈夫なようだ。
絞り F2.8
逆光気味で撮るとすこしふれあっぽくなり、コントラストも低下するが、ソフトな描写でグレイッシュな発色もまた良い。
絞り F1.3
二線ボケっぽいがそふとでで滲みがでているので、バックが絵画のような印象になって面白い。ブレも加わって躍動感が出ている。結構面白いボケ具合だ。
絞り F1.3
被写界深度は、シネレンズのF1.4クラスより薄く、F1.0クラスの被写界深度くらいのように思える。
ソフトさ加減、グルグルボケの出具合、それに滲み具合が絶妙で面白い絵を創り出すような感じがした。これほど古いレンズは初めてだけれど思ったほど古さを感じないし、味があっていいなぁと思った。