Som Berthio(サン・ベルティオ)にもF0.95の大口径のレンズがある。このレンズは、いつもご贔屓にしていただいている猫ジャージさんからリクエストをいただいて入手したレンズである。
リクエストをいただいたもののなかなか見つからずにお待たせしてしまったが、やっとの思いで見つけたレンズだ。ただこのレンズ、届いてみて分かったことであるが、Cマウントなのだが後部の口径が大きくマウントアダプターに付けられない。そこで猫ジャージさんに了解を取った上で、レンズ後部を削ってアダプターに入るように改造をしてもらった。
そのためまたお待ち頂くことになり、ご迷惑をおかけしました。これは私の確認ミスだったのだが、25mmの焦点距離なのでアダプターに入るものだと思いこんでいた。
サン・ベルティオの25mmF0.95には、シルバータイプのものとブラックタイプのものがある。シルバータイプのものは、以前取り上げた、25mmF1.4と同じようなデザインで少し大きくしたようなレンズだ。こちらの方はマウントアダプターにねじ込めるようである。ブラックタイプのものは、シルバーのそれよりも前玉が大きく、レンズ本体も少し太くて大振りであるようだ。
フィルター径は、38mmなのでこれに合うフィルターとフード、それにステップアップリングは、今のところ国内では見つけることができないが、eBayで38→52mmのステップアップリングが出品されているようなので、これを付けると市販のフィルターやフードを使うことができる。
幸い、Kern-Paillard Macro Switar 26mm F1.1用に購入したステップアップリングがあるので、これを装着してフィルターとフードを付けることができた。Macro Switar では、このステップアップリングを介してフードを付けるとかなり不格好になるが、このレンズは、フィルター径がレンズ本体の直径よりも小さいのでバランスがよい。
デザインは、結構おしゃれで上の写真はGH1につけて撮影したものだが、オリンパスPEN(特にEP-2のブラックモデル)につけるともっとよく似合うと思う。
GH1につけてファインダーを覗いただけで、すぐに分かるほどソフトな写りである。大口径レンズは開放でハロっぽくソフトな写りをするものであるがこのレンズは特にその傾向が強く、もうソフトフォーカスレンズといってもよいくらいである。
猫ジャージさんから試写のお許しがでたので、取り敢えず近所の花屋さんとスタバで撮ったのが下の写真である。
上3枚の写真 使用カメラ:Panasonic Lumix DMC GH1 絞りF0.95
ご覧いただけると分かるとおり、とってもソフトな描写だが、意外とピントの山はつかみやすかった。ハロがでてソフトになるのではない。もともとがソフトに写るようで、逆光だろうが順光だろうが屋内の照明の元であろうが、どんなときにも確実にソフトに描写してくれる。
大口径のレンズは、ほとんどが白っぽいものの輪郭に縁取ったようにハロがでるのであるが、このレンズのソフトな描写は、全体にベールを被せたような感じだ。屋外の太陽の下で撮影した写真もあるので、後日アップするが、案外ハロが少ないのにソフトな描写という、不思議なレンズである。
イメージサークルは、他の25mmのシネレンズに比べてかなり大きくマイクロフォーサーズをカバーする。多分シネレンズの25mmの中では最も大きなイメージサークルだと思う。因みにシルバータイプの25mmF0.95のものはイメージサークルが小さく、マイクロフォーサーズではケラレが生じるようである。
周辺減光はなだらかに落ちていくような感じで、他のシネレンズ同様、口径食はあるがグルグルボケはほとんどないようである。
万人受けするようなレンズではなく、好みは別れるところだが、このようなソフトの出方のするレンズは、他に比較対象になるレンズはないと思うので、ソフトな描写なレンズがお好みの方にはとてもお勧めのレンズである。
猫ジャージさんにお譲りするのが惜しくなってしまったレンズである。