Kino plasmat(キノ・プラズマート)と言えば、戦前のレンズでは、多分一番人気だろう。もう80年くらい前のレンズであるから、描写性能という尺度で評価すること自体、ナンセンスだと思う。
kinoplazmatさんのBokeh Lensでその個性的な描写に魅せられて、一度使ってみたいと思っていていたのだが、eBayではすでにものすごく高価だし、それに、ほとんど出品されないので、なかなか入手できずにいた。 それが最近になって、よく買っている中古カメラやさんから送られてくるリストの中に見つけることができたので、少し高かったが、思いきって購入してみた。 届いたレンズを見て、その小ささにびっくり。今持っているレンズの中でいちばん小さい。Cマウントなので、さっそく、マウントアダプターでGH1に接続して、ファインダーを覗いてみると、コンパクトなレンズにもかかわらず、意外にもイメージサークルは大きく、ケラレは少ないようだ。
後日、江ノ島に行った後で、鎌倉に立ち寄って、何枚か撮ってみた。もう陽が傾いていて暗くなり始めていたので、絞りは全て開放。というか、やっぱり古いレンズほどその個性を生かすためには、開放で撮るのがいちばんだと、思っている。下の写真は、鎌倉駅周辺をぶらぶら歩いて、撮った写真
子供の頃、学校帰りに立ち寄った。時代を感じさせるお店。このレンズで撮ると古めかしさや懐かしさまでも写してくれるような気がする。
だけど中心しかよく写っていない。そこがいいのだけれど。
赤ちょうちんの居酒屋さん。まだあるんですね。
今や都会のパチンコ屋さんは、外からは分からないくらいきれいになっているけれど、昔はみんなこんな感じだったなぁ。
このレンズ、ダルメイヤーと違って、グルグルボケはでないよう。中心部分は、結構シャープだけれど、周辺は甘く、流れる。でも想像していたより、画像周辺の流れは少なめだった。と言ってもノスタルジックな写りで、レトロなモチーフを撮影するには最適なレンズだと思う。
全体にフレアがかかって、コントラストも低いが、その割に解像力は悪くないように感じた。
とまぁ、写りについて書くとこんな感じだが、このレンズの魅力は、やはり他では味わえない、とても雰囲気のある、ノスタルジックな写りであることは間違いない。
《追記》
焦点距離が間違っていました。1インチではなく3/4インチ(約19mm)でした。あまりグルグルしないなぁと思っていましたが、それは、焦点距離のせいかもしれません。