江ノ島を望む片瀬東海岸で撮影したが、このレンズとてもノスタルジックな写りをする。
陽が傾いてきた海を逆光で撮影してみたが、こういう絵は、もっとコントラストがあった方がよいと思った。
海岸から入ったところの通りにおみやげ屋さんやレストランなどが軒を連ねる。この通りを歩いていると、古びた民家があった。雨戸が閉められていたので、今は誰も住んでいないのかもしれない。
絞り F1.9
それから、少し先には、これまた時代を感じる旅館があった。
ガラス越しに中を覗いてみたが、誰もいない様子だったが、玄関を開けて入ってみた。
上3枚とも絞り F1.9
下の写真は、ハワイ関係の雑貨を売っているお店の店内。トロピカルな模様のマグカップを買ったあと、店主に撮影してもいいかと尋ねたら、快く承諾してくれた。
絞り F1.9
ボケの輪郭がとてもきれいになじんで美しい。
上中:絞りF1.9 下:絞り F5.6
このレンズを使ってみて感じたことは、とてもノスタルジックな写りをするということ。良く言えば、やわらかい描写ということだが、コントラストが低くシャープさに欠けるレンズである。でも、F5.6くらいまで絞るとそれなりにシャープになる。
上のアイビーの写真はF5.6まで絞ったので、まだやわらかいものの、それなりに解像している。でもここまで寄れるシネレンズは少なく貴重な存在だ。マクロスイーターと同じくらいまで寄れるのではないだろうか。
このレンズの最大の長所はとても美しいボケ具合だ。撮っていてバックがうるさく感じられることはなかったし、どんな距離でもホント、きれいにボケてくれる。
Cマウントのマクロ・スイーターのボケ具合もとてもきれいだが、こちらの方は、プリズムを透過することを前提とした収差補正がセンサーにダイレクトに光が届くカメラでは、それが過剰補正になり、結果としてやわらかく美しいボケを生む。
マクロスイーターのボケは、ベールがかかったようなボケ具合で、その輪郭にはフレアで縁取られたようになる。言わば偶然の産物といえる。しかし、このKinoptik Eraxは、正統派の美しいボケ具合で技術力が生んだ賜と言える。
色調は、色あせたような感じで彩度が低いが、それは、オールドレンズファンにとっては、たまらなく良い。