テーラー・ホブソンの歴史
テーラーホブソンのレンズは、25mmF1.4を取り上げたが、今回は50mm F1.4を取り上げることにする。前回は、テーラーホブソン社の歴史には触れなかったので今回、少し書いてみようと思う。ネットでテーラーホブソンのことについて書かれたページがあったが長いので簡単に書くと、トーマス・テーラーは、30歳までクック親子が経営するクック社(Thomas Cooke & Sons of York)に勤務していたようである。1886年にウィリアム・テイラー(兄か弟かは不明)とともに兄弟はT.S. and W. Taylorを設立する。クック社のデニス・テーラー(テーラー兄弟とは血縁関係はないようである)が設計したトリプレット型レンズの製造販売権を譲り受けて販売。翌年、W.S.H.Hobsonが加わる。
とまぁこんなようなことが書いてあると思う。翻訳には自信がないので、興味のある方は、こちらに書いてあるので読んで下さい。
同社のレンズとしては、1930年頃に発売されたSpeed Panchro(スピード・パンクロ)F値2.0があまりにも有名で、現在でもとても高値で取引されている。今回取り上げた、Ivotalは戦後に開発され写真のレンズは、後期のデザインで1950年代後半から製造が始まったようである。
レンズ構成は独自の4郡4枚で貼り合わせがないのでバルサム切れなどの心配は無用だ。
パステルカラーのような淡い色調で、やわらかい描写が特徴。
全体的に淡い色調で、白っぽい被写体だとボケはじめたところにハロが多くでるようだ。ピンが来ているところはハロはほとんどでないようだ。発色はアンジェニューのような派手さはないが、控えめで落ち着いた色調。
25mmのF1.4、F1.9もそうだったが、ディストーションがよく補正されているので直線の被写体でも歪みが少ない。これはシネレンズとしてはとても優秀。
カメラ:Panasonic Lumix DMC GH1 上のイメージ写真、すべて絞り開放(F1.4)
撮影して思ったことは、ハイライトから中間階調までが階調豊か。淡い色調のモチーフは微妙な色合いをとてもよく描写する。これから桜のシーズンだが桜の花びらのピンクをとてもきれいに描写しそうだ。
日陰では、重い感じにはならなくてやわらかで落ち着いた色調になる。パステルカラーのモチーフや日陰ややわらかい光線のもとでの描写にすぐれているのではないか。
ピンが来たところから近い距離の背景のボケは、輪郭にハロを伴って滲むような感じで、距離がある背景のボケは、中心から輪郭にかけてなだらかにぼけていく感じ。