前回はトミオカの21mm F3.5を取り上げたが、やはりこの55mm F1.2は、トミオカを語る上では外せないレンズ。
このレンズは、ドイツのRevuenon(多分レフエノンと発音?)から販売されていたもの。トミオカのレンズは他にチノン、ヤシノンなどのものがある。
アンバーにコーティングされたレンズは、ガラスの固まりのようでずっしりと重く、クリスタルのように光り輝く。
見ているだけでうっとりするくらい美しい。
後玉は、自動絞りのためのピンの部分がカットされている。M42のマウントの口径ぎりぎりいっぱいまで後玉を大きくするための工夫だろう。
このレンズ、マウントアダプターでデジタルカメラに付ける場合、ピンを押さないタイプでないと後玉が邪魔になって、ピントが無限まで移動しないのでご注意を。
絞り開放 F1.2
絞りF2.8
上の2枚はモチーフから少し距離を取って撮影したもの。どちらもいちばん手前の花にフォーカスしていて、少しずつ距離が離れていくが、どれもボケはきれいだ。
特に上の写真は、二線ボケがでやすい距離と背景の細かさだがまったく二線ボケはでていない。
花びら1枚にしかピントが来ない。トミオカのこのレンズは、気のせいかもしれないが、他の標準レンズのF1.2の中ではいちばん被写界深度が浅いような気がする。
上の2枚いずれも絞り開放 F1.2
上の2枚の写真は、開放でしかも逆光で撮影してみた。フレアがでてコントラストが低く、とてもやわらかい写りになる。逆光には弱いが、こういう写りを意図的に取るのもまたいいものだ。